『「うつ」を治す』を読んでみた

大野裕さんの『「うつ」を治す』を読んだ感想についてお話したいと思います。
本の前半部分にうつ病とはどういった病気なのかについて、後半にはうつ病の治療について書かれています。後半の治療方法部分は、うつ病の方以外にも、疲れで気分が滅入っている方にも役立つような内容になっていました。更に最後の方には、うつ病患者の周りの人達(家族、友達、職場の方など)に向けて、どのように付き合っていくと良いかについても記載がありまず。
個人的には後半に記載されている心理的治療(考え方や気持ちを整理する事で精神的な苦痛を軽減させる方法)が紹介されていて、普段の考え方がこの方法によって少し変化したら、気持ちが楽になりそうな気がしました。
自分自身の考え方の癖(認知の歪み)を自覚し、なぜその考えにいたったのか?という理由や根拠について上げて、その考えを通りになった場合、どのような結果になるかについても考える。最後に別の考えはないか、別の視点で見てみる。一つの考えに縛られず、俯瞰的に見る事によって不安や心配になる気持ちが軽減すると思いました。
頭の中でこれを行うには練習がかなり必要だと思うので、まずは紙に書いて時間をかけて頭の中を整理し、何度もこの方法を行う事でコツを掴んでいくことで、気持ちに余裕ができ、ゆくゆくは頭の中でも自動的に行うことが出来るようになるのだろうと思いました。
また、この本には双極性障害(躁うつ病)への治療として、自分自身の波を把握し、少しでも変化が出た時に早めに対応出来るようにする為の方法として、『人生(ライフ)チャート法』、『賞状サマリーワークシート法』、『気分(ムード)グラフ法』が紹介されていました。
これらの方法は、うつ病にも役立つ方法ではないかと感じました。少し気分が下がってきている段階で気づき、早めに寝たり、リラックスする環境に身を置いたりなど早めに対応する事で、悪化を防ぐことが出来るような気がしました。
この本は、難しい言葉は使わずに、図を入れて分かりやすく説明されています。最初から読まずに、気になる部分から読んでも大丈夫な構成になっていました。うつ病が重い時には読むのは難しいと思いますが、ある程度、症状が落ち着いてきた方には向いていると思いました。