『50歳になりまして』を読んで

今回は光浦靖子さんのエッセイ『50歳になりまして』を読んだ感想です。
光浦さんはカナダを留学する予定で、賃貸マンションの契約を解除して、荷物の少なくして準備していたのに、コロナが流行し始め、留学が中止となました。その頃の日々について書いています。
引き払ったマンションには戻ることも出来ず、妹さんのご家庭に2ヶ月程居候して、その後近くのマンションへ移られました。いつ留学再開できるのかも分からない状況で、仕事の事や留学に至った経緯、日々の出来事について綴られており、面白かったです。
コンプレックス
私には東京外国語大学を卒業していて、高学歴のイメージがある光浦さんですが、御本人は大学へ行ったにもかかわらず英語が喋れない事をコンプレックスに思っていたようです。特に芸があるわけでも無いため、芸人ではなくタレントと言っているそうで、そんなにもコンプレックスに感じているとは思いもしませんでした。
色々なタイミング
徐々に仕事が減ってきて、焦りもあったようです。そんな時に、北斗晶さんとたまたま出会って、息子さんの留学の際にお世話になった方を、留学するなら紹介すると言ってもらいタイミング的に今だと感じたそうです。仕事の調整や賃貸契約の解約手続き、家財道具の保管手続き等、留学に向けて着々と準備をして、さあ行くぞとなった矢先にコロナの流行。留学は中止となりました。
拾う神あり
留学準備の為、仕事も整理していたから急遽中止になり、どうやって生活していくのかと心配になるのですが、留学中止になった経験を記事にしたら、それを見た人からTVの話が来たりして、やっぱりそこはちゃんと見ていてくれる人がいるんだなぁと感じました。
50歳、独身女性
周りのみんなは子供がいて、取り残されていく感じ。みんなと同じように結婚して家庭を持って、子供が生まれてっていう人生を歩むもんだと私も思ってたので、凄くうなずいて読んでしまいました。私もこんなはずじゃなかったと思っています。
やっと留学へ
コロナで中止となってしまった留学ですが、ようやく出発が出来たようで、2023年現在はカナダのバンクーバーへ留学中とのこと。2022年5月からは雑誌『オール讀物』でカナダ暮らしの連載が始まったそうです。
コンプレックスや様々な障害がありつつも、ちゃんと自分の思った道を歩んでらっしゃる光浦さんは本当に素敵だと感じました。