『ふやすミニマリスト』を読んでみた

今回は、文筆家で書店店主でもある藤岡みなみさんの著書『ふやすミニマリスト』を読んでみた感想です。
ドキュメンタリー映画の『365日のシンプルライフ』をドラマ化した『100日間のシンプルライフ』という映画のコメント依頼が来て、自分でもやってみたいと思って、コロナでの自粛期間中に実践したのを書籍化した物です。
基本ルール
- 自宅とは別に新しく部屋を借り、下着や最初の洋服、コンタクトレンズ、マスクや消毒液等はノーカウント
- 自宅から1日1つだけ物を取り出せる
- 食料の購入はノーカウント(調味料はカウントに入れる)
- 電気・ガス・水道のライフラインは完備
- 期間は100日間
このルールに従ってスタートさせています。
選択に個性が出る
自分の想像とは全く異なる物を取り出してくるので、本当に面白かったです。
一番の驚きだったのが、本を9日目に出している事。もっと必要な物はありそうな頃なのに、実用品ではない本を選んでいます。この方にとっては、心の栄養が本であり、呼吸するように本を読むのが生きていく上で必要なことなのだと思いました。私も本は好きですが、この段階では本は選ばないと思います。
味のレパートリー
調味料もカウントに入るため、最初はハムやベーコンの塩気で調理しているが、飽きがくるようで、まずは塩を初めに導入。その後、バター、醤油、砂糖、ごま油、粗挽き胡椒、味噌、豆板醤、黒酢、花椒と選択している。
自分ならサラダ油はオリーブオイルで代用するだろう。そして、豆板醤、黒酢、花椒は100個の中には入らないと思った。自分なら、だし系(ほんだしや鶏ガラ)を選ぶと思う。特に食に関する事は、今までの生活や味の好み、家庭の味が反映されていると思った。
洗剤の種類の多さ
衛生用品に絞って見てみると、歯ブラシを2日目に取り出し、その後は、全身シャンプー、食器用洗剤、メイク落としシート、トイレ用洗剤、スポンジ、歯磨き粉、アルカリ電解水、お風呂用洗剤、お風呂用スポンジ、粘着カーペットクリーナーと続いている。
1つの洗剤で全てをまかなっている家庭もあるとは思うが、一般的には用途別に洗剤があって、生活するのにこんなにも沢山の洗剤を使っているのかと気付かされた。
ハイテクな生活
電子機器・家電について見てみると、6日目にMacBookを取り出している。その後は、乾燥機付き洗濯機、冷蔵庫、パソコン電源、イヤホン、スマホ、スマホ電源ケーブル、VRゴーグル、ドライヤー、オイルヒーター、フェイスシェーバー、電気調理鍋、TV、オーブンレンジとなっている。
パソコン、VRゴーグル、電気調理鍋が入っている辺り、とても現代的というか、ハイテクだなと思った。自分はそんなに機械を使いこなせないので、スマホとオーブンレンジは最初に取り出してしまうと思うし、髪が長いのでドライヤーは必須。フェイスシェーバーを100個の中に選択するのが女性らしさを忘れていないと感じました。
個人的に大切な物
意外な物もあって、遮光器土偶を71日目に取り出しています。著者は6年ほど前から縄文時代にハマっていて、遮光器土偶を購入したそうです。この方にとっては大事な物なんでしょう。私もぬいぐるみがあると安心するから、きっと100個の中には入れると思うので分かる気がします。
自分だったら、どんな物を選ぼうか?と楽しみながら読む事が出来ました。そして、いかに沢山の物に囲まれて生活しているかを思い知らされ、部屋をスッキリさせるためにも、物を減らしていきたいとまた改めて思いました。
お片付け系の本は、時々定期的に読むことで、片づけなきゃという気持ちにさせてくれます。そして、コツコツと減らしていくしかないと思って気を引き締める事ができるので好きな分野の本です。